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 会社に与えた損害と従業員の退職金の相殺

Q.会社に損害を与えた従業員を解雇した場合、その損害額の一部を補填するため退職金の一部を相殺することは問題があるか。
A.退職金については、就業規則や労働協約等によってあらかじめ支給条件が定められていて、その支給が使用者の義務であるようなものは、労働基準法で定める賃金に該当するとされています。
 また、賃金は、法令に別段の定めがある場合又は事業場の過半数を代表する労働者の代表と書面による労使協定をした場合を除き、全額支払わなければならないと定められています。
 したがって、従業員の承諾がない限り相殺はできません。
 使用者が労働者に対して有する債権をもって相殺することは、賃金を支払わないことに該当し、この規定に違反することとなります。
 たとえ使用者の債権が労働者の不法行為を原因としたものであっても同様です。
 なお、労使協定で損害賠償債権についても相殺することができる旨の定めがあれば、相殺は可能です。
 ただし、賃金額の4分の3に相当する部分については相殺できないこととされています。
 なお、従業員の承諾がある場合でも、相殺に関して書面による労使協定があれば使用者側から退職金の4分の1までは相殺できますが、労使協定がなければ使用者側から一方的に相殺はできません。
また、退職金の支払い期日が過ぎても支払わないでいると、民事的には年6%の利息を付して退職金を請求されることになります。
 刑事的には、賃金不払いは労働基準法第120条により30万円以下の罰金を科すと定められています。



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