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 解雇予定日までの年次有給休暇の一括取得

Q.勤務した会社から解雇通告を受けたとき、解雇予定日まで連続して未消化の年次有給休暇を取得することは可能か。
A.労働基準法上の年次有給休暇制度は、労働者の健康で文化的な生活の実現に資するため、労働者に対し、賃金の減収を伴うことなく、休日のほかに毎年一定日数の休暇を保障するものです。
 使用者は、その雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければなりません。
 また、使用者は、年次有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならないとされており、休暇をどのように利用するかは労働者の自由です。
 ただし、使用者は、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができます。
 事業の正常な運営を妨げる場合に該当するかどうかの判断基準については、労働基準法による定めがありません。
 つまり、会社は労働者の代わりの人員を確保する努力をしないまま、単に「忙しい」という理由だけでは、上記の「事業の正常な運営を妨げる場合」には該当しませんので、時季変更権は行使できません。
 解雇予定日を超えた時季変更権の行使については行政解釈の事例があります。
 昭和49年1月11日基収第5554号の2;
「15年間継続勤務し、かつ、前年全労働日の8割以上出勤した労働者が1月1日に1月20日付けで解雇されることとなり、20日間の有給休暇権を行使した場合について、使用者は通常の場合と同様の時季変更権の行使ができるか」という質疑に対し、「当該20日間の年次有給休暇の権利が労働基準法に基づくものである限り、当該労働者の解雇予定日をこえての時季変更は行えないものと解する」と答えたものがあります。
 労働基準法に基づく年次有給休暇の使用者の時季変更権は、その社員が他の時季に年次有給休暇を取得できることを前提としているため、解雇予定日を目前にしており他の時季に年次有給休暇を取得できる余地がない場合には、使用者の時季変更権は認められないと解されています。
 ただし、引継業務を行わなかったことにより会社に損害が発生した場合には損害賠償の請求をされることも考えられますので、後々のトラブルを避けるためにも会社ときちんと話し合うことが大切です。


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