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整理解雇
Q.景気の低迷により業績が悪化し経営努力にも限度があることから、数人の社員に解雇を通告して人員整理することはできないか。 A.会社が一丸となって経費節減に努めてきたが、好転せず、余剰人員の削減に手をつけざるを得ないといっても、労働者には何ら帰責事由はありません。 会社にも同情すべき点がありますが、残る従業員の雇用を守り、事業を存続させるという大義があります。 整理解雇は、使用者が不況や経営難などで人員削減のために行う解雇のことで、労働者個人に不適格性や重大な規律違反などがあってなされる解雇とは区別されます。 全従業員に対し、会社の窮状をオープンに話し、苦渋の選択であることの理解を得るのが第一歩です。 使用者が、客観的に合理的な理由なく解雇権を行使した場合には、権利の濫用になり、その解雇は無効と解されています。 整理解雇には、労働者に責任のない使用者側の経営上の理由による解雇であることから、判例法上、解雇権濫用法理を発展させた厳しい規制があります。 ・人員削減の必要性 整理解雇は、企業経営上の十分な必要性に基づいて行われなければなりません。 必要性の程度について、判例では企業の維持存続が危うい程度までの必要性を要するとしたものもありますが、多くは高度の経営上の困難により人員削減措置が要請される程度で足りるとしています。 必要性の存否について、判例では経営状態について詳細に審査するものの、基本的には使用者の経営判断を尊重する傾向にあるようです。 しかし、使用者が人員削減の後に多数の新規採用や大幅な賃上げを行うなど、明らかに矛盾する行動をとった場合には、必要性は否定されます。 ・解雇回避努力義務の履行 使用者は、解雇を回避するために、様々な努力をする義務があります。 例えば、新規採用の停止、役員報酬カット、昇給・賞与の停止、時間外労働の削減、希望退職者募集、配転・出向などの手段により、真摯な解雇回避努力をしなければなりません。 回避努力を全く欠いたまま行われた整理解雇は無効とされます。 そのなかでも希望退職者募集は、重要な解雇回避措置とされており、希望退職者の募集をせずに整理解雇をおこなったために、解雇回避努力義務を尽くしていないとされた判例があります。 ・被解雇者選定の妥当性 被解雇者の選定にあたっては、客観的で合理的な基準(勤務成績、勤務年数、年齢、職種、企業貢献度等)を設定し、公正に適用しなければなりません。 このため基準を全く設定しないで整理解雇をおこなった場合は無効とされることがあります。 ・手続きの妥当性 労働協約がある場合で、労働協約中に「人員整理について使用者は組合と協議しなければならない」旨の規定があり、使用者が労働組合と十分な協議を経ないで整理解雇をおこなった場合は協約違反となり、その解雇は無効となります。 労働協約にそのような規定がなかったり、労働組合がない場合でも、使用者は労働者に対し、整理解雇の必要性、整理方針、被解雇者の選定基準、解雇・退職条件などの内容について納得が得られるよう誠意をもって説明し、協議すべき信義則上の義務を負っています。 |